フレイルとは


フレイルとは、健康な状態から要介護になるまでの中間段階で、心と体の働きが弱くなっている状態のことです。フレイルは、加齢による筋力の低下や栄養不足、社会的な孤立などが原因で起こりますが、早期に発見して適切な支援を受ければ、健康な状態に戻る可能性があります。

 

フレイルの予防には、食事摂取基準(2020年版)を活用することが有効です。食事摂取基準は、高齢者のフレイル予防も視野に入れて策定されたもので、たんぱく質やビタミンDなどの必要量が示されています。

 

たんぱく質は、筋肉や骨を作る材料となり、筋力低下や骨粗しょう症の予防に役立ちます。高齢者は、1日あたり体重1kgあたり1.2g以上のたんぱく質を摂取することが推奨されています。たんぱく質は、肉や魚、卵、大豆製品などに多く含まれています。

 

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けて骨を丈夫にする働きがあります。また、筋肉の収縮や神経伝達にも関与しており、転倒や骨折の予防にも重要です。高齢者は、1日あたり20μg以上のビタミンDを摂取することが推奨されています。ビタミンDは、サケやマグロなどの青魚やきのこ類に多く含まれていますが、食事だけでは不足しがちです。そのため、日光浴やサプリメントの摂取も併せて行うことが望ましいです。

 

フレイル予防のためには、食事だけでなく運動や社会参加も大切です。運動は、筋力やバランス感覚を高めることで歩行速度や身体活動を向上させます。社会参加は、孤独感やうつを予防し、生きがいや充実感を得ることができます。

 

フレイルは自分では気づきにくいこともありますが、チェックリストやセルフチェックで自分の状態を把握することができます。フレイルの兆候を感じたら、早めに医師や専門家に相談しましょう。

柏市では、フレイル予防のために、市内各地で「フレイルチェック講座」を実施しています。この講座では、専門の研修を受けた「かしわフレイル予防サポーター」が、測定機器や自己チェックシートを使って、参加者のフレイルの兆候を測定し、解説します。また、グループワークを通じて、自分の健康づくりについて考える機会も提供します。

 

フレイルチェック講座は、市内在住の概ね65歳以上の方が対象で、無料で参加できます。年に1回定期的にチェックを受けて、ご自分の健康づくりに役立てましょう。

 

 

皆さんもフレイル予防に取り組んで、健康で元気な毎日を送りましょう!

 

この記事は、フレイル予防に関する情報を提供するものであり、個別の診断や治療に代わるものではありません。ご自身の健康状態については、必ず医師や専門家にご相談ください。